8.18.2012

12.08.13 川棚

実家に帰る前に、川棚へ寄る。

温泉 瓦そば 自然 地形

ある程度キャラクターのある地方の町は、

建築を計画するのに魅力的。




川棚温泉交流センター 隈研吾








多面体の外皮。

構造体と設備がむき出しの内部。

天井、壁をあえて仕上げないことが

生物的な要素を与えている。

このような多面体の建築ではどうしてもRCで作りがちだが、

鉄骨でこのようにまとめるのは面白いし、うまい。

ローコスト、無柱空間、生物性、造形

無理なく全てをリンクさせている。


このようなディテールも隈研吾的でとても面白い。

ジョイント部においてH鋼のフランジがどこにもぶつかることなく終わっている。

このジョイント部だけ見ると力学的には鉄骨のフランジは効いていない。

力学的に純粋に、素直に納めようとすれば異なるジョイントとなるだろう。

つまり、これは一種のフェイク。

このフェイクが隈研吾の建築において、

建築の核となる要素を含んでいる事が多いと、いつも僕は解釈している。

この鋭角のスチールが、わずかな隙間を空けて向き合うジョイントは

この建築が多面体で構成されている事と、

また単体のパネルの組み合わせにより全体が成立していることを

暗に意味している。

これは隈研吾の建築に多くの見られるバラック的要素と繋がる。

ディテールから建築全体の構成、コンセプトが見えてくる。

このようなディテールのあり方が、

建築的なディテールだ。

キレイに納める事が全てではなく、

そこに意図が含まれている事が最も重要。


話が変わるが、

根津美術館のエントランスまでのアプローチ空間の軒裏にも

フェイクの要素が含まれていて、

また、そこにある意図が読み取れるのでとても面白い。


このような手法は内藤廣だと絶対に行わないので、

対比的に両者の建築を分析することを、非常に興味深く感じている。


サインも三角形で構成している気の配り方はとても良い。







タクシーで15分。

近くにある隈建築をもう一つ。

安養寺木造阿弥陀如来坐像収蔵施設 隈研吾





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