福生市庁舎 山本理顕
雑誌の写真で見た印象よりもスケールが小さい。
想像していたスケールとギャップはあったが、
スケール自体は福生の街に対して少し大きいくらいでちょうどよい。
立地も中心部に位置し、人々が集まりやすい環境にある。
ヴォリュームと切り離した軽快な屋外階段。
キャンチの力学的緊張感と白色の抽象性が効いてる。
緩やかに伸びる丘。
その丘が反転し、内部がおおらかな天井に。
一般市民の可動域は低い天井に、
執務スペースは高い天井になり、2階の執務スペースと視線、空気が行き交う。
それらは全て連続する。
二重構造と窓。
廣村さんのサイン。
横須賀美術館の時にも同じ事を思ったが、サインの効果は非常に大きい。
丘からぬるっと立ち上がるヴォリューム。
仕上げ材の小さなタイルの選択も必然。
唐木田コミュニティセンター(からきだ菖蒲館) 新井千秋
基本的に作り方は、大船渡リアスホールと類似している。
こちらの作品の方が後のため、やや発展系。
力強さや、デザインに手を抜かない姿勢、建築的思考を重要視した男性的意匠は個人的には好きだが、
デザインの大部分を大船渡と同じ手法をとっている事が、個人的には残念。
秋田の由利本荘市文化交流館カダーレも同じ。
震災後という背景もあり、大船渡リアスホールを見たとき、非常に感動した。
ただ、リアスホールは大船渡の地の固有解であってほしかった。
連続する新居スタイルの中の一般解のように思えて仕方ない。