1.17.2010

建築の建ち方⇨山口⇨




自然を背景とした建築を好む傾向がある。

建ち方がキレイだと思ってしまう(ものによってはそうではないものもあるが)。

マラパルテ邸は良い例で、普通に考えれば意味の分からないところに建っているがとても魅力的である。

卒論の研究対象だったので、学部4年の夏に実際に見に行ったのだが、陸から、海からアプローチを試みたがほとんど近づけなかった。






学部3年の夏に訪れた内藤さんの海の博物館もまた僕の好きな建築。

鳥羽の海のひっそりたたずむ建築。

この作品を見て以来、内藤さんの虜。




これまた内藤さんの牧野植物園は高知の山の斜面に建っていた。

周辺の森林の中に、うねる大屋根が埋もれていくことを期待しているようだ。

風の抜け方、景色の広がり方がとても気持ちよかった記憶がある。



さて、このように都市に建つ建築よりも少し田舎にある建築を好む傾向があるようだと最近気づき出した。





おそらく、自分が生まれ育った環境が原因なのではないかと思う。

盆地である山口市の周辺は連続する山々。

必ず建築の背景には山が登場する。

何気なく見ていた風景だったけれども、今ではそれが魅力的と感じるようになっている。

上の写真は磯崎さんの山口芸術センター。

山口の作品の中では結構お気に入りな作品。



話は少し変わるが、

この建築ができて、市民の生活の流れが少し変化したと実感することがしばしばある。

建築単体のみでなく、前に位置するだだっ広い広場の使われ方とてもよい。

犬の散歩、花見、スケッチしている人、サッカーをする子供達等多くの人々が集まっている。

街を歩いてもほとんど人のいない山口市であるのにもかかわらず。

初めて訪れた時、その光景が新鮮だった(残念ながらこの写真には人は写っていないが)。


それはポンピドゥーセンターの前の広場で受けた新鮮さと少し似ていた。

あの時は、都市のど真ん中にこのだだっ広い広場を設けたことに新鮮さを感じ、そしてそこに多くの人が集まり、寝そべったり、それぞれの時間を自由に過ごしている姿を見てなぜか嬉しくなった。

田舎、都市と違いはあるし、質も全く異なるのであるが、山口芸術センターを訪れた時、ポンピドゥーがフラッシュバックした。

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