9.04.2010

グラントワ

Grand Toit(グラントワ):フランス語で「大きな屋根」

お盆に実家に帰った時に、内藤さんの島根芸術文化センターを見に行った。



行き路の風景。

山陰地方の集落では石州瓦用いた住宅が点在しており、そこで小さなコミュニティが形成されている。




島根県益田市に位置するグラントワはこの地域特有の素材である石州瓦を身にまとった建築であり、美術館、劇場を複合した地域の核としての文化センターとして機能している。

小さなスケールの街並に対して、そのヴォリュームは暴力的であるが、それは要求された機能を満たした結果であり、色々な意味でその地域にどっしりと構えた安定感のある力を放っているように見えた。




構成は明快で、薄く水を張った水庭を中心に美術館、劇場等の機能が周辺にぶら下がっている。



子供が水庭で遊んでいる姿がとても印象的。

この建築の中心にある水庭は本来抽象的な存在であるのはずなのに、子供達は面白い使い方をする。

この浅い水の上を泳ごうする子供までいて、必死に係員さんが止めていた。

こんな光景を内藤さんが想像しながら設計していたのかは分からないが、結果的にこのような使われ方をしていることがとても重要である。

お盆という時期が大きく作用しているのは間違いないだろうが、本当にグラントワには多くの人がいた。

特に子供連れの家族が多く、地域の拠り所という言葉とてもふさわしい光景に感じた。


全国の空洞化する中心市街地を活性化する力は、単に建築のプログラムや画期的なデザインによってなし得るものではない。

日々ここを訪れてこれを活用する人々の存在が最も大きな力なのである。

古谷誠章が茅野市民間を作っていた時にこのようなことを言っていたのを思い出した。



これはグラントワで販売されている箸置き。

内藤さんがグラントワで用いた石州瓦でデザインした箸置きである。

この箸置きは島根県立益田養護学校の生徒の手で作られ販売されているようだ。

人を巻き込む力、本当に建築家として魅力的である。

2 件のコメント:

  1. ぼくもこれ10っこくらいかったよ。
    またゆっくりふたりでのもうね。

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  2. ぼくは2つ。
    うん、ゆっくり飲みたいね。
    半年もすれば東京に来るんだもんね。
    働き出したらお互い忙しいとは思うけれど、いつでも飲むよ。

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