福岡空港からセントレアへ。
名古屋には寄らず、豊田へ直行。
谷口吉生の豊田市美術館へ向かう。
谷口さんの全ての建築に通じることだが、シンプルですっきりしてとても奇麗な建築。
様々な要素を排除、整理したディテールの集積。
このストイックな The 谷口空間も魅力的なのだが、
個人的に好きだったのは、ランドスケープ。
美術館周辺の小道が美術館敷地に入り込んでいる、
美術館の敷地に対して周辺の小道が勝っている取合いが面白かった。
敷地に対する考え方がこの操作だけで明確に伝わってくる。
もう一つ面白いと思ったのが、
シンプルなヴォリュームの低層部に水平にあけられた、高さの低い開口。
この低さが人のスケールを際立たせるのに効果的である。
続いて、
妹島和世の「豊田市生涯学習センター逢妻交流館」
豊田の中心部からバスで15分以上離れた所なので、まわりは水田。
すっと建っています。
空間の新しさ、コンセプチャルな点はとても魅力的なのだが、
この場所でないとこの建築は成り立たないと言える強さはなく、
施工は甘く、
建築の使われ方を制御しきれていなかった。
そのような印象を受けた。
豊田市美術館の建築とは、良い意味でも悪い意味でも本当に対照的である。
とはいえ、曲面が作るのびのびしたこの空間の質感は個人的に好きである。
「建築」をどのように捉えて設計するか、建築家が何に比重を置くかで、できるものは大きく変わってくる。
何が正しいかなんて誰にも分からない。
ただ、そこに明確な思想が織り込まれている事がやはり重要だ。
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